無真獣の巣穴

らくがきとかゲームとかなんかそんなん。

Dragon Age: Inquisition 3周目プレイ記録②

※この記事には作品のネタバレが含まれます。

始まりはあのヘイブンから…

 

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直前までOriginsをやっていたため、ヘイブンといえばドラゴンを信奉する危険な一団のイメージを引きずっていたが、2を飛ばしたのであっという間に10年ほどが経過し、ヘイブンは教会の巡礼地になっていた。Inquisitionでは聖灰の神殿が大爆発を起こしたあとで人々は混乱の中にあり、巡礼という雰囲気でもない。事件が起きる前のヘイブンも少し見てみたかった気がする。


聖灰については、Originsにおいて血で穢すルートを当初予定していた。主人公は無階級民のドワーフで、アンドラステに対しての畏敬の念が皆無であり、無理なく聖灰を穢せるのではないかと考えたからだ。しかしガーディアンとの戦闘が思いのほか厳しく、面倒なので諦めた。信仰心の強いレリアナやウィンを失うことになるらしいので、やらなくてよかったかもしれない。

Originsは4周しているが結局一度も聖灰を穢していない。主人公には一貫した人格を持たせたいので悪事を働くにも動機が欲しいが、なかなか他人の遺灰を穢す動機をひねり出すのは難しい。デイルズエルフでさえアンドラステ個人に恨みはなさそうだ。

そういうわけで、当初の予定から外れて聖灰は健在だ。ただしInquisitionでは聖灰の行方はわからなくなっているらしい。

 


Inquisition序盤の分岐点はテンプル騎士を仲間にするか魔道士を仲間にするか、という選択だ。物語上はどちらを支持するかではなく、先にどちらと接触するかという選択なのだが、片方は敵に支配されてしまうためどちらか一方しか仲間にできない*1

この泥沼の戦争になるにいたった経緯と今回の主人公がサークル出身の魔道士であることを考えれば魔道士の方を味方につけたいが、前2周のプレイがどちらも魔道士だったので今回はテンプル騎士を選んだ。

魔道士の扱いや行動の自由は所属のサークルによって大きく違うが、主人公のいたオストウィックのサークルは割と安定していたらしいから、そこまでひどい扱いはされなかったかもしれない。しかし常にテンプル騎士の監視があり、自由に外出はできず、危険とみなされれば静者にされるか殺されてしまうのはどこも同じだと思われる。

貴族出身だとサークルでの扱いは少しよくなるらしい。今回の主人公もトレベリアンという貴族の出身で、ヴィヴィエンヌのように外出含めてある程度の自由はあったかもしれない。外の社会とは隔絶されている一方で、サークル内での生活に出身の階級が反映されるとすれば、それもまた世知辛い話だ。

とりあえず多少の自由が許されていようとも、今回のアトリアさんというキャラクターがそんな窮屈な環境に満足していたとは到底考えられないので、サークルとテンプル騎士、その大元の教会という構造に好意を抱いているわけはない。これが今回のロールプレイのベースになる。ちなみにトレベリアン家は教会との繋がりが強いらしいので、家族との関係もよくはないだろう。

 

ただ、今回の反乱にアトリアさんが賛成するかといえば必ずしもそうではないだろうし、そもそも大半の末端の魔道士はなぜこんなことになったのかよく分かっていなそうだ。正直3周目のプレイヤーとしてもよく分かっているかと言われると微妙*2だし、アトリアさんも自由は求めつつ、きっと微妙だろう。

そういえば反乱の要因といえば「静者」の問題も大きいはずだが、Inquisitionではあまり静者について詳細に描かれない。カサンドラ・ペンタガーストのイベントを進めると静者の秘密が判明するのだが、Originsや2をプレイしていないと魔道士にとって静者化がどれほど恐ろしいか分かりにくそうだ。

 


とにかく、アトリアさんは微妙な立ち位置とはいえ基本的には自由を求める魔道士だ。戦争は望まないが、教会にもサークルにも強く否定的な意見を持っている。こういうキャラクターでテンプル騎士に先に接触するのは少し不自然ではないだろうか…とも考えた。しかし反乱魔道士は向こうから接触してきており、罠を疑っても不思議はないだろう。というわけで、思い切ってテンプル騎士を選んだのだった。

 

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テンプル騎士ルートだとフェイドに入ることになり、コールの手助けを受けることができる。今まで選んだことがなかったので、なかなかに新鮮だった。魔道士ルートで悪夢的な未来を見るよりメンタルの負荷は軽めだ。


結果的に、サークルの構造を支持しない魔道士の主人公がテンプル騎士を仲間に引き入れるのは、悪くない選択だった。テンプル騎士団の解散を宣言できるからだ。なおかつかれらを審問会の管理下に置くことができる。魔道士がテンプル騎士団の解散を宣言し、管理下に置く!これはなかなかすごいことだ。これでサークル・オブ・メジャイの悪しき構造に終止符を打つことができるのだ…というほど甘くもないだろうが。

しかしよく考えると、魔道士たちを味方につけるよりリスクは高いような気もする。魔道士はたしかに大きな力を持っていて、それを権力や支配力を得るために使おうと思えば使えるのだが、基本的には魔法をコントロールして普通に生活したい者が大半のはずだ。それよりは元々権力をもって監視と制裁のために存在する軍隊、テンプル騎士団の方がよっぽど危ない。しかも魔道士を厳しく管理されるべき危険な存在と見なして人間扱いしたがらないタイプも多い。

もちろんみんながそうではないが、思えば危険な集団を味方につけてしまったものだ…とあとからなんとなく後悔した。たしかに悪い選択ではなかったのだが、軍事力を高めるのはあとあと面倒なことに繋がりそうだ。テンプル騎士団を引き入れたことで、世間的にはテンプル騎士団への信頼がそのまま審問会の信頼になったという話もあって、審問会が新たなテンプル騎士団になってしまう可能性もなくはない。組織は長く続けば必ず腐敗するし、物語としても腐敗させる気は満々のようだから*3

 

 

 

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ところで、このルートでは優雅に遅れてくるドリアンを見ることができる。なかなか熱くて面白い。

そういえば、ロデリック大法官にはあまりよい印象を抱いていなかったが、彼が何気なく歩いた小道が皆の命を救う…という展開に今までになく胸が熱くなった。自分も歳だろうか。

ヘイブンの惨劇から逃れ、新たな場所へたどり着く前の苦しい時に皆が聖歌を歌う、あの場面は…信仰心のないアトリアさんはうんざりしただろう*4

 

*1:どちらか一方とは言っても組織として行動している者たちのみの話で、バラバラに行動している者たちも多く、それぞれ審問会に来ることはあるので結局どっちも仲間にいるのだが。

*2:Dragon Age 2での件は反乱の引き金にはなっただろうが、おそらくこれだけが原因ではないはずで、複数の要因が絡み合い、ついに爆発したというところだろうか。

*3:DLC「招かれざる客」をやるとよく分かる。

*4:異教徒であるデイルズエルフの前主人公カフ・ラヴェランも引いていたと思う。信仰のもとにひとつになるって、結構怖い。