無真獣の巣穴

らくがきとかゲームとかなんかそんなん。

Dragon Age Inquisition プレイ記録・番外編 補足と反省

 

気がつけばもう4月だ。かなり久々の更新になった。今までいろいろあり、なんとなくDA:Iをプレイしていなかった。最近再開したので、しっかり最後まで記録を残したい。ただ今回はプレイ記録ではなく、少し前の記事についての補足と反省、今後気を付けるべきだと感じていることを書き留めておきたいと思う。

 


以前、ロマンスの記事で自分の作ったキャラクターについて "ちなみに、中の人である自分自身のセクシャリティと関係あるのかというと、特に関係はしていない。ただ、自分自身の考え方が反映されているとは思う" ということを書いた。

しかし、この文章について我ながら引っかかるところがずっとあった。まるで「あくまでゲームとしてやっているだけで中の人たる自分自身は "そんな" セクシャリティではありません」と言っているように感じられたからだ。

実際のところ、自分はゲームとして楽しむために色々なセクシャリティをロールプレイしている。それ自体に問題があるとは思わない。ただ、こうしてプレイ記録として公開していて、そこでわざわざ「自分は違います」と言いながらキャラクターのセクシャリティについて書くというのはどうなのだろう。

 

自分はノンバイナリー*1であるというジェンダーアイデンティティがはっきりしているのに比べると、セクシャリティについては長年よく分からず、正直ゲームのロールプレイで自分自身の模索をしている側面がある。

そのあやふやな状態で、自分がさも当事者であるかのように読めてしまったら、それはそれでマイノリティを騙っていることになってしまう気がして、とりあえず否定をしておくという心理が働いたかもしれない。

しかしどんな心理や意図があったとしても、結果として自身を切り離して安全なところに置き、マイノリティの属性だけ消費的に扱ってしまったのではないか。プレイ自体は私的な楽しみや模索だとしても、公開している以上「自分は違う」とことさらに否定することの危うさをもっと考えるべきだったと思う。

現実に存在するマイノリティは常に差別や偏見にさらされている。その属性を扱うのであれば、差別や偏見を強化してしまうようなことは避けるべきだ。少なくともプレイ記録として詳細を公開するなら、いかにゲーム上のことであってもそういうことをしっかり意識しておく必要があると改めて肝に銘じなければならない。


最近SNS上でエイプリルフールの「ネタ」としてセクシャルマイノリティを思わせるような投稿をしたり、カミングアウトを装って関係ない告知をしたりしているのが目についたが、このような態度には大きな問題がある。マイノリティはマジョリティの「ネタ」のためのおもちゃではなく、現実の差別をそのままにしながら「美しいもの」や「面白いもの」として表面的なところだけ消費するべきではないし、カミングアウトは当事者にとって重大な意味を持つもので、茶化していいようなものではない。

そのようなことをするのが実はカミングアウトしていない当事者で、「ネタ」という口実で普段できないふるまいをやっているという可能性はあるかもしれない。しかし重要なのはそれがどういうメッセージになってしまうか、という結果だ。

自分自身がロールプレイや作品として非当事者の立場でマイノリティを描くときにも、結果的にそれらとあまり変わらない消費になっている場合があると思う。特に「面白い」ものであろうとするとき、大事なことが抜け落ちてしまいやすい。やはり現実の問題もしっかり捉えて注意深くあるべきで、場合によっては補足も必要だし、時に「描かない」ことが大事なこともあるだろう。

 

※これらは冒頭にリンクを貼った記事の方に追記として書き足した方がよかったかもしれないが、長くなったので番外編としてひとつの記事にまとめた。

 

 

 

*1:名称についてはそれほどこだわりがあるわけではない。とにかく二元的な性別におさまらないというアイデンティティは少なくともこの10年以上揺らいだことがない。